過敏性腸症候群とは

定義

過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)は、通常の臨床検査で器質的疾患が認められないにもかかわらず、腹部症状(腹痛や腹部膨満感など)と便通異常(下痢・便秘)が慢性的に出没する疾患です。日本におけるIBSの有病率は13.1%との報告があり1)、高頻度にみられますが、的確に診療されていないものが少なくありません。IBS患者は、思春期から青年期の若い世代に最も多いのが特徴です1)

〔文献〕
1) H Miwa, et al.: Patient Prefer Adherence 2:143 , 2008

分類

IBSの分類は、機能性消化管障害(functional gastrointestinal disorders:FGIDs)に関する概念を整備したROME Ⅲ基準の中で示されています。その基準では、IBSは便の形状の違いから、便秘型、下痢型、下痢と便秘が交互に出現する交替型(または混合型)および分類不能型の4つに分類されます(図1)。下痢型は男性に、便秘型は女性に多くみられます1)

図1 ROME ⅢによるIBSの病型分類
図2 ブリストル便形状尺度概念図

〔文献〕
1) H Miwa, et al.: Patient Prefer Adherence 2:143 , 2008

成因

IBSの成因は不明ですが、周囲の環境やライフ・イベントからのストレス、不安、食事などの生活習慣の乱れ、幼少期の虐待歴、家族歴、消化管の感染や炎症、腸内環境などが発症や症状増悪に関与するとされています(図3)。特に、ストレスによる症状悪化は顕著にみられます。

病態

IBSの背景には、消化管運動能の変調、内臓知覚過敏、脳腸相関の異常、遺伝的・環境的要因、感染症の後遺症、心理社会的障害などの多様な病態生理学的機構がIBS症状に関与していることが考えられます。IBSの生理学的特性については、以前は生理学的仮説と心理的仮説がせめぎあっていたことがありましたが、近年は生物学的要因と心理社会的要因の両方を重要視したモデルで理解されるようになっています。

図3 IBSの病態生理学的仮説

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