ポリフルの作用機序

ポリカルボフィルカルシウムは、酸性条件下でカルシウムを脱離することから、胃内でカルシウムが脱離してポリカルボフィルになり、ポリカルボフィルは、小腸や大腸のような中性条件下で高い吸水性と保水性を示し、吸水に伴い膨潤・ゲル化します。
したがって、下痢時には、ポリカルボフィルが増加した水分を吸収してゲル化することにより、亢進した消化管内容物の通過時間を遅延させて排便回数を減少します。また、通過時間の遅延は便中水分の吸収を促し便性状を改善します。一方、便秘時には、ポリカルボフィルが消化管内で水分を吸水して膨潤し、内容物を軟化もしくは容量を増加させることで遅延した消化管内容物の通過時間を短縮させて排便回数を増加します。また、吸水した水分を保持することにより、便中水分の減少が抑制されて便性状を改善します。
このように、ポリカルボフィルカルシウムは生体に吸収されずに消化管の内腔において内容物の性状を正常化させることにより便秘と下痢を改善すると考えられます。

ポリカルボフィルカルシウムの物理学的特性

【方法】 ポリカルボフィルカルシウム及び0.1mol/L塩酸試液で脱カルシウム処理したポリカルボフィルの各pHの緩衝液における膨潤量を測定した。

ポリカルボフィルカルシウムは酸性条件下でカルシウムを脱離してポリカルボフィルになり、中性条件下で重量の35倍以上の水を吸収して膨潤・ゲル化しました。

ポリカルボフィルの粘度

ポリカルボフィルの粘度 1)

【方法】 1.5%炭酸水素ナトリウム溶液で調整したポリカルボフィル及びカルメロースナトリウム(CMC-Na)の粘度を回転粘度計により測定した。

ポリカルボフィルカルシウムは濃度依存的に粘度が増加し、1.2%以上で急激な増加が認められてゲル状となり、1.4%の粘度は1.5×104mPa secでした。カルメロースナトリウム(CMC-Na)も濃度依存的に粘度は増加しましたが、ポリカルボフィルのような急激な増加は認められず、2.0%の粘度は1.0×103mPa secでした。

〔文献〕
1) T. Yamada, et al.:J. Pharm. Pharmacol., 48: 665, 1996

消化管内水分保持作用(ラット)

マウス及びラットを用いた作用機序の動物試験では、「ポリカルボフィル」を用いています。その理由はマウス及びラットは少量ずつ頻回に採食する習性があり、胃酸も採食中に少量ずつ継続的な分泌になると推測されるため、「ポリカルボフィルカルシウム」を投与しても胃酸分泌の不足から、胃内でのカルシウム脱離が不十分になると考えられます。従って、マウス及びラットでの試験には活性本体である「ポリカルボフィル」を用いました。

【方法】 ラットにポリカルボフィルまたはカルメロースナトリウム(CMC-Na)を1,000mg/kgの用量で経口投与し、4、6、8、10時間後に小腸と結腸を摘出し、腸管内容物の水分含量を測定した。水分含量は腸管内容物の単位乾燥重量あたりの水分の重量とし、水分増加率はVehicleに対する各薬物の水分含量の増加率として表した。

ポリカルボフィルは、小腸で投与後8時間まで、結腸で投与後6時間から10時間まで水分含量の増加作用を示しました。

※本剤はポリカルボフィルカルシウムとして承認を得ています。

消化管の水分吸収と分泌に及ぼす影響(ラット)

消化管の水分吸収と分泌に及ぼす影響(ラット) 1)

【方法】 ラットを用い、麻酔下に空腸または結腸の内腔を生体位に灌流した。灌流液には1%の濃度でポリカルボフィルまたはカルメロースナトリウム(CMC-Na)と放射性物質を加え、灌流前と灌流後のサンプル液中の放射能量から消化管の水分吸収量と移動量収支を求め、分泌量を算出した。

ポリカルボフィルは、消化管の水分吸収に抵抗して、消化管内で水分を保持すると考えられます。

※本剤はポリカルボフィルカルシウムとして承認を得ています。

〔文献〕
1) T. Yamada, et al.: Pharm. Sci., 2: 149, 1996

消化管内容物輸送調節作用(マウス、ラット)

消化管内容物輸送調節作用(マウス、ラット) 1)

亢進モデル

【方法】 マウスに一夜絶食後、カルミンを経口投与して1時間後にカルバコール1mg/kgを皮下投与し、カルミンが便中に排出されるまでの時間を測定した。ポリカルボフィルは、カルミンと同時に経口投与した。
ラットに一夜絶食後、カルミンを経口投与して1時間後にヒマシ油0.75mLを経口投与し、カルミンが便中に排出されるまで の時間を測定した。ポリカルボフィルは、カルミンと同時に経口投与した。

ポリカルボフィルは、カルバコールあるいはヒマシ油投与による下痢状態において、促進された消化管内容物の輸送を抑制しました。

遅延モデル

【方法】 ラットにカルミンを経口投与し、1時間後にモルヒネ塩酸塩10mg/kgを経口投与して、カルミンが便中に排出されるまでの時間を測定した。ポリカルボフィルは、カルミンと同時に経口投与した。
ラットに繊維成分を減少させた飼料を1週間給与した後、カルミンを経口投与してカルミンが便中に排出されるまでの時間を測定した。ポリカルボフィルは、カルミンと同時に経口投与した。

ポリカルボフィルは、モルヒネ塩酸塩投与あるいは繊維成分の摂取不足による便秘状態において、遅延した消化管内容物の輸送を改善しました。

〔文献〕
1) A. Yasumori, et al.: Jpn. J. Pharmcol., 76(S-1): 296, 1998

添付文書
効能・効果、用法・用量、警告・禁忌を含む使用上の注意、効能・効果に関連する使用上の注意、用法・用量に関連する使用上の注意については「添付文書(PDF)」をご参照ください。

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